「幽霊出没認定協会」
『三州奇談』というのは、加賀・能登・越中の奇談集です。
これはただの奇談、不思議な話ではなく、歴史史料にその裏付けとなるものがある、そんなことを考えたり調べたりしたことがあります。
翻刻した話を現代語に訳す作業もしましたが、『三州奇談』をもう少し別の面から楽しむ方法がないかと模索していました。
現代語訳だけでは何か物足りない感じです。
先日、本を読んでいたら、イギリスの幽霊の話が出ていました。
ロンドンには幽霊が出るところがたくさんあるのだそうで、例えばロンドン塔やハンプトン・コートだそうです。
また英文学ではシェークスピアの『ハムレット』、『マクベス』、ディッケンズの『クリスマス・カロル』など、多くの作品に幽霊が出てきます。
そのイギリスには、「幽霊出没認定協会」みたいなものがあり、建造物や場所にお墨付きを与えるそうです(木村治美『エッセイを書きたいあなたに』)。
さすが、イギリスといった感じです。
幽霊では日本も負けていないと思いますが、そのような遊び心のある協会は、聞いたことがありません。
そうだと、膝を叩きました。ここにヒントがーー奇談といえば幽霊です。
『三州奇談』には金沢を舞台とした話がいくつもあります。
奇談・怪談ですから、そこに幽霊、怪異はつきものです。
その場所とそこにどんな幽霊が出たかを地図に落としてゆけば、少しは楽しめるように思えてきました。
金沢市内では光徳寺、善導寺、黒壁(九万坊)、五本松などが浮かんできます。そういえば金沢城も魔所でした。
『三州奇談』には出てきませんが、金沢市内には飴買い幽霊、子育て幽霊の話などがいくつも伝わっています。
これらの話をバラシて組み立てなおせば、何か発見がありそうです。
「金沢幽霊出没マップ」作りです。
金沢にこうした、奇談を巡るツアーがあれば、それは楽しめるのではないかと思います。まだ、全国どこにもないのではないでしょうか。
奇談のファンは、結構多いと聞いていますので面白いのではないか、などと夢を見ました。
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